食品製造・スーパーなど食料品を取り扱う現場では、食品が品質を保ち、美味しく食べられる期間を示す賞味期限およびの確認・記録作業が欠かせません。この作業は、誤出荷や品質事故を防ぐため、安全性を確保するための重要な工程です。

しかし現在も多くの現場では、賞味期限の確認作業を「紙帳票に手書きで記入」「目視で確認」「Excelなどへの転記」など、アナログな運用が残っており次のような課題が生じます。
- 記録ミスや読み間違いによるヒューマンエラー
- 記録漏れや転記忘れによるトレーサビリティ不備
- 作業者への負担や確認作業の属人化
本記事では、こうした問題を解決するためにOCRリーダーを用いた賞味期限チェック作業のヒューマンエラー防止・効率化を実現できる現場帳票電子化ソリューション「XC-Gate」と、OCR対応のコードリーダー(Honeywell)との連携をご紹介いたします。

OCRとは、「Optical Character Recognition(光学文字認識)」の略で、紙やパッケージなどに印字された文字情報をスキャンし、デジタルデータとして読み取る技術です。近年では、OCRの精度向上により、賞味期限やロット番号などの小さな印字も高精度で認識できるようになっています。
これにより、目視確認や手入力の手間を大幅に減らし、現場作業の自動化・省人化が進んでいます。
目次
賞味期限の読み取り・照合を“自動化”
現場帳票電子化ソリューション「XC-Gate(エクシーゲート)」は、紙で行っていた帳票業務をタブレットやスマホなどで入力できるようになるソリューションです。一方、Honeywell社が提供するOCR対応のコードリーダー(例:Xenon 1952gシリーズ)は、印刷された賞味期限やロット番号などの文字情報をOCRで読み取り、Bluetooth経由でタブレットへ送信することができます。
この2つを連携することで、現場では次のような流れが実現します。
- Bluetooth経由でタブレット上のXC-Gate帳票にデータを自動入力
- 製品に印字された賞味期限をHoneywellのリーダーでOCRで読み取り
- あらかじめ登録された賞味期限と読み取った賞味期限を即時に照合、合否判定
確認・記録・照合といった一連の作業が、現場の操作でシームレスに完了します。
賞味期限OCR読み取りによる3つの効果
1. 入力ミス・記録漏れを大幅削減
OCRリーダーによって文字を正確に読み取り、XC-Gateに自動入力されるため、賞味期限の記録ミスといったヒューマンエラーが激減します。
2. 照合作業の時短・省人化
読み取った情報と事前登録データをその場で自動照合することができます。色分けするなどで合否のアラートをわかりやすく表示することも可能で、確認作業を効率化できます。
3. トレーサビリティを強化
賞味期限チェックで入力したデータは、XC-Gateのデータベースに保存されます。監査や納品先から問い合わせがあったときに、賞味期限から製品に使用された原材料、使用した設備などを後からトレース(追跡)することができるようになるため、記録の検索性や監査対応も容易になります。
今回の連携で使用したOCR対応バーコードリーダー

賞味期限やロット番号といった印字情報の読み取りには、Honeywell社製の高性能コードリーダー「Xenon XP 1952g」を使用しています。「Xenon XP 1952g」のモデルは、OCR(光学文字認識)対応に加え、汚れやかすれのあるバーコードも高精度に読み取れる読取性能を備えています。
さらに、Xenon XP 1952gはBluetooth接続に対応しており、現場で使用しているタブレット端末とのワイヤレス連携が可能です。これにより、作業者の移動を妨げず、スムーズな帳票入力・照合作業を実現します。
食品現場のような衛生管理が求められる環境でも安心して使用できるよう、耐久性や操作性にも配慮された設計となっています。
商品サイト:https://imagers.co.jp/products/xenon1952.html(イメージャー様のサイトに遷移します)
前提条件
OCRの読み取りを行うには、バーコードリーダー(スキャナー)側で別途ライセンスが必要です。スキャナーに予め桁数の指定や桁ごとのキャラクタ(数字かアルファベットか)を定義することで読み取りが可能になります(QRでフォーマット設定できます)。
賞味期限チェック表の電子化はXC-Gateで!
食品製造業のお客様への導入実績が多くあり、賞味期限チェックの用途以外にも、衛生管理記録や設備の点検表、生産日報、5S・7Sチェックシートなど様々な帳票を電子化することができます。食品業界での活用例をご紹介したカタログもご用意しております。
- 食品製造、食品を取り扱う現場で「XC-Gate」がどのように利用できるか
- 帳票を電子化するうえで、紙を減らす以外の効果を知りたい
- 他企業はどのような帳票を電子化し、工夫しているのか
上記のような疑問・ご要望をお持ちの方はぜひダウンロードして、食品業界での「XC-Gate」活用例が掲載されたソリューションマップをご覧ください。
まとめ
現場のDXを加速させるには、いきなり全体を変えるのではなく、「帳票記録」や「確認作業」など、身近な業務から始めることが成功の鍵です。「XC-Gate」とOCRリーダーを活用すれば、現場の負担を最小限にしながら、賞味期限チェックの精度・スピード・記録性を大きく改善できます。XC-Gate側で特別な設定は必要ありませんので、食品業界のお客様はぜひご検討ください。
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