目次
試験成績表とは?

試験成績表とは、製品や材料が特定の試験を通じて基準を満たしていることを証明する文書です。試験成績書と記載しているものもあります。主に化学、食品、医薬品業界などで活用され、品質管理や顧客への品質保証を示す書類として重要な役割を果たします。製品出荷時に添付されることも多く、顧客や監査対応にも必要な帳票です。そのため、記載すべき項目は「誰が・いつ・何を・どの基準で試験し、結果がどうだったか」が明確に分かるよう構成されている必要があります。
以下に、一般的な製造業における試験成績書の主な構成要素と、それぞれの目的・注意点を解説します。
試験成績書に含まれる主な項目

一般的な製造業における試験成績書の主な項目と、それぞれの目的・役割を解説します。
項目名 | 内容と役割 |
---|---|
製品名・製造番号 | 試験対象となる製品を識別するため、品番や製造番号など、キー情報を含めることでトレーサビリティを確保します。 |
製造日/ロット番号 | どのタイミングで製造された製品かを明示します。ロット不良時の特定や遡及対応に必須の項目です。 |
試験実施日 | 実施日を記載することで製造日との関係や経時劣化への影響などが判断可能になります。 |
試験項目名 | 含有量、寸法、硬度、強度、電気特性など、製品ごとに異なり、規格と紐づけて管理します。 |
測定方法 | 測定器の機種名・型番や試験規格(例:JIS、ISO、社内基準など)を記載すると信頼性が増します。 |
規格値(許容範囲) | 合格となる数値範囲を、例えばφ10.00±0.05mmと記載し、数値だけでなく単位も明記する必要があります。 |
実測値 | 実際の測定値を記録します。誤記防止のため自動転記や単位チェック機能で行うと効率化・正確性アップにつながります。 |
判定(合否) | 規格値と照らして合格/不合格を明記。電子化すれば自動判定による属人性排除も可能となります。 |
試験担当者・所属 | 試験を行った作業者情報を記録し、責任の所在を明確にします。試験担当者の名前(ハンコ)を押印することもあります。 |
承認者・責任者 | 上長や品質保証部門によるチェックを行い、手書きサインや電子承認で省力化・履歴管理を行います。 |
業界や製品によって項目は多少異なりますが、品質トレーサビリティを確保するために正確な記録が求められます。製品によって項目は多少異なりますが、品質トレーサビリティを確保するために正確な記録が求められます。
試験成績表と他帳票との違い
製造業では多くの帳票が日々作成・運用されていますが、その中でも「試験成績書」は、品質保証の“最終的な証拠”として機能する特別な帳票です。以下では、混同されやすい代表的な帳票との違いを整理してみましょう。
帳票名 | 主な目的・特徴 | 試験成績書との違い |
---|---|---|
検査記録 | 製造・検査現場での作業記録。検査結果を工程ごとに記録。 | 社内向けの記録となり、提出用ではないことが多い。 |
品質保証書 | 出荷する製品が仕様を満たしていることを証明する文書。 | 試験成績書を根拠として発行されることが多い。 |
出荷報告書 | 出荷数量・日付・ロット番号など、物流に関する情報の帳票。 | 製品の品質には直接関係しない。 |
分析証明書(COA) | 海外取引や医薬品・食品業界などで使われる品質証明書。特定の成分(カンナビノイド等)の内容や濃度の記載等、法律を遵守しているかを示す文書。 | 輸出先の国の制度により、国化学物質によっては規制が存在する為、含有物質を証明するために英語表記や規格・法令に沿って作成する。 |
試験成績書は、「製品が要求される試験項目・基準に適合していることを、数値・判定結果で明確に証明する帳票」であり、顧客への提出資料として信頼性が強く求められるのが特徴です。企業によっては、ISOなどの品質マネジメント規格の監査時にも確認対象となるため、記載内容や保存方法にも細心の注意が必要です。
紙やExcelで管理する際の課題
多くの現場では、今なお紙やExcelを使って試験成績書を記録・管理しています。しかし、以下のような課題が浮き彫りになっています。
- 手書きや転記による記録ミス
- 記録、発行するたびにファイリング作業を行う手間
- 保管期間が定められているため保管場所がいっぱいになる
- 過去の記録を探すのに時間がかかる
品質管理に関わる帳票だけに、少しのミスが重大なトラブルにつながるリスクがあります。
試験成績書の電子化がもたらすメリット

試験成績書を電子化することで、上記の課題を根本から解決することが可能です。主なメリットは以下の通りです。
- 試験結果の自動入力・集計により入力ミスを削減
- 過去データの高速検索と一元管理
- 試験結果のリアルタイム共有で承認スピード向上
帳票の電子化は、単なる業務効率化にとどまらず、品質向上や組織全体のリスク管理にも直結します。
「XC-Gate」を用いた試験成績表電子化活用例
弊社が提供する帳票電子化システム「XC-Gate」は、現場業務にフィットした柔軟な帳票設計が可能です。試験成績書の電子化においても、以下のような特長があります。
現場入力に対応:「XC-Gate」はブラウザで操作するWEBシステムであるため、検査室など試験を行う場所で入力ができる、タブレットやPCからでも簡単に入力可能です。
既存フォーマットを再現:顧客に合わせた試験成績書をそれぞれ電子化することができ、紙やExcelと同じレイアウトで電子化が可能です。PDFで出力する場合にも、フォーマットを提出用に一部変更することも可能なので、顧客への提出や出荷時の添付も問題なく行えます。

承認フローをシステム化:試験後に必須となる、上長や品質管理部門への承認依頼をメール通知でスピード承認。試験成績書の完成までがスムーズに進みます。
MESやERPとの連携:生産・品質データを管理している基幹システムと連携し、入力の手間・手作業による入力ミスを最小限に減らすことにつながります。例えば、品名や品番を選ぶと自動的に分析項目や基準値が入力され、作業者は測定値を入力するだけで試験成績表が完成する、といったことも実現できます。
MES/ERPといった基幹システムと電子帳票システム「XC-Gate」を連携する際、活用いただける無料ソフトとして「XC-Connect(エクシーコネクト)」を展開しております。基幹システムとの連携にご興味のある方は、ぜひこちらの記事もご覧ください。
連携用ソフト「XC-Connect」についてご紹介記事はこちら!
XC-Connectは、PCまたはサーバーにインストールいただくことで、基幹システム-XC-Gate.V3間の連携をカンタンに行えるようになる、XC-Gate.V3用の無料連携ツールです。XC-Connectひとつで、XC-Gate.V3への外部データの取り込みだけでなく、XC-Gate.V3に保存された実績出力もノーコードで行うことができます。
まとめ
試験成績表は品質保証に欠かせない帳票ですが、紙やExcelでの運用には多くの課題があります。電子化によって、正確性・効率性・スピードのすべてを改善し、品質管理体制を強化することが可能です。試験成績表を電子化する際には、ぜひ「XC-Gate(エクシーゲート)」をご検討ください。
コメントを残す