投稿日

2025.08.18

更新日

2025.08.18

現場担当者必見!設備台帳の基本と設備管理をラクにする方法

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製造業の現場では、生産ラインを構成する機械設備や計測機器、搬送装置など、数多くの設備が稼働しています。これらは日々の生産を支える心臓部であり、ひとつでも故障すれば納期遅延や品質不良、さらには大きな損失につながる可能性があります。安定した稼働を維持するためには、定期的な点検やメンテナンス、法令に基づく検査、部品交換といった計画的な管理が欠かせません。

こうした設備管理の基盤となるのが「設備台帳」です。設備台帳は、機械の型式や製造番号、設置場所、導入日、稼働状況、点検・修理の履歴など、設備に関するあらゆる情報を体系的に記録・管理する帳票です。しっかりと整備された設備台帳があれば、故障時の迅速な対応や保守計画の最適化が可能になり、結果として生産効率や稼働率の向上にもつながります。

しかし現場では、「紙で管理していて探すのが大変」「更新が後回しになって情報が古くなる」「部署ごとに記録方法がバラバラ」などの課題を抱えることも少なくありません。そこで本記事では、設備台帳の役割や作成のポイント、メリットと課題、そして電子化による効率化の方法まで、製造業の現場で役立つ実践的な情報をお届けします。

設備台帳とは?

設備台帳とは、企業や工場が保有するあらゆる設備に関する情報を整理・記録した台帳です。記載内容には、設備の名称や型式、設置場所、導入日、点検・保守の履歴、稼働状況などが含まれます。これらの情報を一元管理することで、故障やトラブルの早期発見、計画的な保守スケジュールの立案、設備更新の判断材料など、日々の設備管理をより効率的かつ戦略的に行えるようになります。さらには、点検や修理の履歴が蓄積されることで、現場担当者間の情報共有がスムーズになり、設備の稼働率向上や寿命延長にもつながります。

設備台帳に記録する主な情報

設備台帳に記録する情報は、設備の種類や用途によってさまざまです。日常的な運用やメンテナンスに必要な基本情報はもちろん、将来的な更新計画やコスト分析にも役立つ詳細なデータまで含まれます。たとえば、設備の基本仕様や型式、設置場所といった「今どこで稼働しているのか」が分かる情報、点検・保守の履歴や修理履歴といった「これまでどう使われ、どのように維持されてきたのか」が分かる情報などです。さらに、法定点検の期日、稼働時間、エネルギー使用量、メーカーや取引先情報などを記録することで、設備の状態を幅広い視点で把握し、より精度の高い設備管理を可能にします。具体的には以下のような項目の情報を記録します。

設備名・型式・製造番号
設備の特定に必要な基本情報です。型式やシリアル番号を明記しておくことで、保守部品の発注やメンテナンス計画が容易になります。

設置場所・設置年月日
設備の配置状況や導入時期を把握することで、稼働履歴や保守スケジュールを正確に管理できます。

保守・点検履歴
日常点検や定期保守、法定点検の記録を残すことで、過去のトラブルや改善策を追跡可能にします。

使用状況・稼働状況
稼働率や稼働時間の管理を行うことで、設備の効率的な運用や更新タイミングの判断に役立ちます。

法定点検の実施状況
労働安全衛生法や消防法などの法定点検が必要な設備について、実施日や結果を記録しておくことが重要です。

このように、設備台帳は単なる一覧表ではなく、設備のライフサイクル全体を見据えた管理の基盤となります。正確な情報を蓄積しておくことで、日常の点検・保守から長期的な更新計画まで、あらゆる設備管理業務を効率的かつ確実に進めることができます。

設備台帳の作成における課題

一方で、設備台帳の作成や維持には以下のような課題もあります。

設備台帳は設備管理の基本ですが、現場で実際に作成・運用するとなると、さまざまな課題が生じます。設備ごとに管理すべき情報が多岐にわたるため、記録や更新が煩雑になりやすく、担当者の負担が大きくなることも少なくありません。また、紙やExcelで管理している場合、過去データの検索や分析が手間となり、設備の稼働状況や更新タイミングを判断するのに時間がかかってしまいます。さらに、複数人で運用する場合は、記録の重複や入力ミス、更新漏れのリスクも高まります。

課題内容現場への影響
情報の煩雑さ設備ごとに名称・型式・設置場所・保守履歴・点検日・稼働状況など、多くの情報を管理する必要がある記録作業が複雑になり、担当者の負担が増大
検索性・活用性の低さ紙台帳や分散したExcelでは、過去データの検索や分析に時間がかかる設備の状態把握や更新判断が遅れ、管理の精度が下がる
入力ミス・更新漏れ複数担当者が記録する場合、誤記や古い情報の放置が起こりやすい記録の信頼性が低下し、故障予防や改善策の判断に支障
管理業務の負担記録・集計・報告作業に多くの時間がかかる本来の設備管理や改善活動に十分なリソースを割けない

設備台帳を電子化するメリット

設備台帳を電子化することで、上記のような課題は大きく改善されます。クラウドやデータベースを活用することで、情報の一元管理や自動チェックによる入力ミス防止が可能になり、管理業務の効率化につながります。また、リアルタイムでの情報共有やデータ分析も容易になり、設備の更新や改善の判断がより正確かつ迅速に行えます。

メリット内容現場への効果
情報の一元管理すべての設備情報をクラウドやデータベースに集約必要な情報をすぐに検索・確認でき、担当者の負担軽減
入力ミスや更新漏れの防止プルダウンや自動チェック機能を活用記録の正確性が向上し、故障予防や改善判断がしやすくなる
作業効率の向上タブレット・スマートフォン・音声入力などでデータ登録が可能記録・集計作業にかかる時間を削減し、本来の管理業務に集中できる
データ分析による設備改善稼働状況やメンテナンス履歴を可視化して分析更新タイミングやコスト削減策を計画的に立てられる
リアルタイムな情報共有部門間や現場・本社間でデータを即時共有遠隔地でも状況を把握でき、迅速な意思決定や対応が可能

実際にサクラクレパス様の事例で設備台帳の電子化を実現しています。設備に関する各データをXC-Gateに集約することによって、設備を一括で管理できるようになりました。タブレットでメンテナンスの記録や設備情報を更新すると、設備台帳にも自動で履歴データが反映される仕組みです。設備台帳からは「部門」「工程」「設備名」などの条件で履歴をいつでも検索できるようになり、設備ごとの詳細な保全記録を見たい場合は機種名の横にあるリンクボタンからすぐにチェックすることも可能になりました。

引用:サクラクレパス様 XC-Gate導入事例

設備台帳の電子化におすすめのツール「XC-Gate」とは

「XC-Gate」は管理台帳専用のソフトではなく、紙で記録している日報や点検表、チェックシートなど様々な帳票を電子化することができる、拡張性のあるソフトです。「XC-Gate」を活用して様々な帳票を電子化することで、費用対効果増加にもつながります。皆様の現場で紙の記録が行われている業務があれば、ぜひ「XC-Gate」をご検討ください。

最後に

設備台帳は、設備管理の効率化やトラブル予防、コスト管理など、現場運営に欠かせない重要なツールです。しかし、紙や分散したExcelでの管理では、情報の散逸や入力ミス、作業負荷の増大といった課題がつきものです。こうした課題を解決し、より正確で効率的な管理を実現するためには、設備台帳の電子化が非常に有効です。

設備台帳を電子化することで、情報の一元管理やリアルタイムな共有はもちろんのこと、データ分析による改善計画の立案など、管理精度と業務効率の両立が可能になります。設備台帳の運用に課題を感じている現場では、まずは管理方法を見直し、電子化の導入を検討してみるのはいかがでしょうか。

設備台帳を正しく活用することで、設備の稼働状況を把握し、保守計画や更新計画を戦略的に立てることができるようになります。日々の設備管理をよりスムーズに、より効率的に進めるための第一歩として、設備台帳の見直しや電子化をぜひ検討してみてください。

まとめ

設備台帳は、記録するだけでなく現場で活かすことが大切です。電子化を取り入れ、情報をすぐに共有・分析することで、設備管理を効率化し、トラブルや無駄なコストを未然に防ぎましょう。

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