目次
多品種少量生産とは
多品種少量生産とは、その名前の通り多種多様な製品を少量ずつ生産する生産形態のことです。細分化していく顧客のニーズに応えられる生産手法として、採用する企業も徐々に増えてきています。
また、個別受注生産と少し似ている部分もありますが、顧客からの注文を受けて生産を行う個別受注生産に対し、多品種少量生産では市場の需要予想に基づき生産する点が異なります。
多品種少量生産は以下のような業界で取り入れられています。
・自動車/自動車部品
・食品
・アパレル/ファッション など
自動車業界は消費者から求められる性能・デザイン・価格帯が多岐にわたり、必要に応じて必要な分を生産する生産形態が広く取り入れられています。アパレル業界ではサイズやデザインの幅広さやトレンドの変遷に対応するため、食品業界でも味、量、期間限定商品など多種多用な製品を生産するため、それぞれ多品種少量生産が採用されています。
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多品種少量生産によるメリット
多品種少量生産の最大のメリットは、顧客からの細かな要望に対応することができる点です。大量生産での画一的な製品とは異なり、細かく仕様を調整できるためより個々の顧客ニーズに即した製品を提供できます。また必要に応じて少量ずつ生産することができ、大量生産と比較して在庫過多になりにくい点も特徴です。
多品種少量生産の課題
メリットも多い多品種少量生産ですが、一方で部品を大量に仕入れられないために仕入れコストが高くなりやすい、画一的な生産ではないため納期の回答に時間がかかりやすいといった課題があります。製品ごとに仕様・製造プロセスが違うため、作業効率が従業員のスキルに依存してしまうことも課題の一つで、自動化がなかなか進みづらい生産方式でもあります。
加えて製品の種類が膨大になることから画一的な品質管理は難しく、こちらも検査の作業自体や検査成績書の作成など、人によって手順が異なり品質にムラが出てしまうリスクをはらんでいます。
品質改善、作業効率化を実現するには?
作業フローが複雑化しやすいというデメリットはあるものの、ミスや手間が発生しやすい工程を把握し、まずはその部分を改善していくことで確実な品質改善、作業効率化につながりやすくなります。具体的な内容としては、以下のようなものが挙げられます。
・生産前や検査時の仕様確認
・検査時の基準チェック
製造指示書や検査記録など現場帳票を電子化することで、上記の作業改善が見込めるほか、作業時間の見える化や、記録のトレーサビリティ向上などを実現できます。
運用改善の例
改善例①:仕様確認の無駄を減らす
現場への作業指示では通常、生産管理システムから製造指示書を発行し、現場担当者が製造指示書を確認する必要があります。作業指示書を電子化することで、現場ではタブレットやPCから簡単に自分への作業指示を検索できるようになり、確認時や作業日報への記入時に起こりがちなヒューマンエラーを防止し、正確に素早く仕様確認ができるようになります。
例として、
①タブレットの作業検索画面に製造番号を入力
②生産管理システムから作業指示データを自動入力
というように現場での作業指示書の運用をデジタル化すると、確認や記入のミス削減、確認作業の標準化ができるようになり、現場での作業効率改善につながります。
改善例②:検査ミスを減らす
製品検査においても現場で正しい仕様をすぐ確認できるようになるほか、電子帳票上で基準を超えた値が記録されたときにはアラート自動表示をすることで、従業員が異常や記入ミスに気付けるようになります。人のミスで検査不良の製品がそのまま流れてしまわないようストッパーの役割を果たし、結果として製品全体の品質管理レベルを高めることにもつながります。
また、BluetoothやUSBを介して計測機器(ノギス、マイクロメーターなど)で測った値をそのまま電子帳票に自動入力することでさらなる検査精度の向上も見込めます。検査記録自体をデジタル化しても最終的に入力するのは従業員なので、先述の規定値チェックと合わせてできる限り正確な検査ができる仕組みを作ることが大切です。
改善例③:作業時間を見える化する
加工装置の設定変更や、段取り換えの作業など、どの作業にどれだけ時間がかかっているのかを見える化することも作業効率改善には重要です。加工記録の電子化により、作業の開始/終了時間をデータとして蓄積し、一定期間内の記録をグラフで自動集計して見える化することができます。特に時間のかかっている作業の傾向を把握し、改善に向けたヒントを見つけやすくなります。
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まとめ
作業が複雑化してしまいやすい多品種少量生産ですが、現場のデジタル化を進めることで作業効率アップ、品質管理の精度向上を実現しやすくなります。もし現在デジタル化でお困りのことがあればお気軽にお問合せ下さい。
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