投稿日

2025.12.22

更新日

2025.12.19

「IBM i 」との連携で実現する製造現場のDX !ペーパーレス化とリアルタイム連携による業務改革

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製造現場の点検業務における紙帳票運用は、承認処理の遅延や記入漏れ、改ざんリスクなど、品質管理において大きな課題となっております。また、昨今では、紙帳票をデジタルデバイスに置き換えるだけの、単なるペーパーレス化にとどまらず、すでに稼働している基幹システムからのデータ取得=システム連携が必要なケースも増えてきております。

今回ご紹介する記事では、基幹システムとして運用されている「IBM i 」が持つ情報をリアルタイムで「XC-Gate(エクシーゲート)」に連携することで、現場主導のペーパーレス化と業務効率化を実現し、ガバナンス強化にも成功した事例をご紹介いたします。

「IBM i 」とは

「IBM i 」 は、IBM社が提供するビジネス向けサーバープラットフォームで、かつて広く利用されていた AS400 の後継製品として導入されています。AS400 が持っていた高い信頼性・堅牢性・一貫した運用性といった強みを継承しつつ、「IBM i 」は最新のハードウェア(IBM Power Systems)上で動作し、セキュリティやデータベース統合、運用自動化などの機能をさらに強化しており、基幹システムとして運用されている企業が多くございます。

背景と課題

製造業において、現場の点検業務は品質保証のために必要不可欠となっております。しかし、多くの企業では依然として紙帳票を使った運用が残っており、以下のような問題が顕在化しています。

  • 承認処理の遅延:紙資料を使った承認は、確認や訂正に時間がかかり、業務全体のスピードを阻害。
  • 記録の正確性確保の負担:ISO9001認定に伴い、記入漏れや誤記を防ぐためのチェックが必須
  • システム導入の失敗経験:過去に導入した専用システムは汎用性がなく、現場に定着しない
  • ガバナンス・リスク:紙による承認と保管では改ざんの可能性が残り、統制が不十分

こうした課題は、製造現場の生産性や品質保証体制に直接影響を与えます。ここで鍵を握るのが、電子帳票と「IBM i 」の連携となります。「IBM i 」には、統制された情報が格納されており、この情報を電子帳票上で活用し、さらには電子帳票で入力された情報を「IBM i 」に書き込むことで、統制が確立され、安定したシステムになります。

ただ、「IBM i 」との連携となると、文字化けの懸念など不安な要素があり、CSVに出力してから連携するなど、及び腰の対応になってしまいがちです。そのような中、本事例では「XC-Gate」の連携技術と、サポート体制の技術力により解決しています。

ISO9001とは:品質マネジメントシステムに関する国際規格です。次の2点を実現するための品質マネジメントシステムの要求事項として、「一貫した製品・サービスの提供」「顧客満足の向上」を定めています。

「IBM i 」と「XC-Gate」との連携

今回の取り組みでは、現場の声を反映しながら以下の3つのポイントで改革を実現しています。実際に「IBM i 」と「XC-Gate」とを連携してご利用いただいているお客様事例をもとにご紹介いたします。

XC-Gate活用3つのポイント

1. 「XC-Gate」による帳票のWeb化

点検表の電子化イメージ

Excelで作成した既存帳票をそのままWeb帳票に変換できる「XC-Gate」を採用。現場担当者が自ら電子帳票を作成できるため、情報システム部門に依存せず、現場主導での運用が可能となりました。これにより、定着性が高く、他用途への展開もスムーズに進められます。

2. 「IBM i 」とのリアルタイムでの連携

「XC-Gate.V3」の連携用ソフト「XC-Connect(エクシーコネクト)」を活用し、「IBM i 」の基幹データ(担当者情報、製品マスタなど)を「XC-Gate」の電子帳票に自動連携。帳票のメンテナンス負荷を大幅に削減し、入力内容の正確性を担保。さらに、XC-Gate側の実績情報を「IBM i 」に書き戻すことで、双方向のデータ統制を実現しました。情報システム部門では、「IBM i 」との連携部分のみをサポート、「IBM i 」の情報を「XC-Gate」に連携する部分を部品として提供するなど、現場との役割分担も実現しました。

「XC-Connect」についての詳細はこちら

XC-Connectは、PCまたはサーバーにインストールいただくことで、PLCや基幹システム-XC-Gate.V3間の連携を行うコアとなる、XC-Gate.V3用の無料連携ツールです。XC-Connectひとつで、XC-Gate.V3への外部データの取り込みだけでなく、XC-Gate.V3に保存された実績エクスポートもノーコードで行うことができます。

続きを読む

3. 承認プロセスの効率化とガバナンス強化

日報・週報と「IBM i 」をリアルタイムに連携することで、入力内容の統制と承認プロセスの最適化を実現しました。
従来は日報ごとに承認していた運用を、日報の入力内容を自動集計した週報で一括承認する方式へ移行したことで、承認作業が大幅に簡素化され、現場と管理部門の負担を軽減しています。

また、入力チェック済みの日報データを週報でまとめて承認できる仕組みにより、承認時間が大きく短縮。各日報へのリンクを週報から直接参照できるため、必要な詳細確認もワンクリックで行えます。

さらに、日報は登録時点でロックし、週報は承認後にロックされるため、改ざん防止が徹底されます。承認状況の見える化や絞り込み表示も可能となり、承認漏れを防止。結果として、現場と管理部門双方の統制力を高め、ガバナンス強化につながりました。

導入効果

「XC-Gate」を導入することで、紙帳票中心だった従来の運用から大きく脱却し、業務全体のスピードと精度を高めることができます。

承認処理が電子化されるため、紙の回覧に依存した場合と比べて承認時間が大幅に短縮され、現場と管理部門のコミュニケーションが格段にスムーズになります。また、紙帳票を廃止することで印刷や保管にかかるコストが削減されるだけでなく、手書きによる不備や訂正作業の発生を抑え、業務負荷の軽減にもつながります。さらに、改ざん防止や承認履歴の見える化といった仕組みにより、ガバナンスが強化され、監査対応にも余裕を持って臨めるようになります。加えて、現場の職制ユーザーが自ら帳票を作成・改善できるため、他工場や他業務への展開も容易で、全社的な業務標準化や生産性向上を後押しします。

今後の展開

導入時は点検日報のみでしたが、すでに1工場で50帳票を電子化するまで展開されています。この工場では、帳票作成を含め運用が定着し、他工場への展開を予定しています。また、「XC-Gate」の持つ機能を最大限に生かし、運用が複雑な帳票への展開を予定されています。

導入時の取り組み – ベル・データ株式会社との協力

こちらのお客様では、基幹システムが「IBM i 」であるため、「IBM i 」基盤およびデータ連携に強い代理店として、「XC-Gate」販売パートナーであるベル・データ株式会社様にトライアルを依頼されています。サンプル帳票やトライアル時のサポートも良く、「IBM i 」連携含めたトライアルはスムーズに進められ、ベル・データ株式会社様での導入後支援も「IBM i 」連携含め対応可能ですので安心してご利用になられています。

まとめ

「IBM i 」と「XC-Gate」の連携ソリューションは、現場のDX推進において「作業効率向上」「現場に定着する柔軟性」「ガバナンス強化」を兼ね備えたソリューションです。現場主導で定着する仕組みを構築し、製造業の生産性向上に貢献します。

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